「学生時代にダンスをしていて、チームで何かをするということが楽しかった。見ている方が楽しそうな顔をしてくださるのも嬉しかったです。」身近にあるものを使って人を幸せにできる仕事がしたいと考えて、オンワードに入社した。しかし、就職活動は一筋縄ではいかなかった。就職氷河期だったため、何社もの企業説明会に足を運ぶことになった。
「当時は大変でしたけど、今思うといろいろな企業を見られる良い機会だったなと思います。お店で服を見ることはあっても、その会社がどういう理念を持っているかまではなかなか考える機会はないですよね。そのなかで、オンワードの『fashion=生活文化』という理念は、私のやりたかったことに合っていました。」
入社して、大阪支店の営業に配属された。せっかく希望の会社に入社できたにも関わらず、仕事が辛くて何度も辞めたいと思った。そんなとき、声をかけてくれたのが営業の先輩だった。「本当に辞めようと考えたときに声をかけてくれて、相談に乗ってくれました。そのおかげで、辞めずに続けることができたし、今では続けてきてよかったと思っています。」
大阪で結婚・妊娠したのをきっかけに、産休と育児休暇に入った。その最中に、夫が東京に転勤することになり、東京で仕事に復帰したいと希望した。「復帰後の仕事にEビジネスを希望したのは、Eビジネス事業本部で働く先輩から仕事の話を聞いて興味を持ったのがきっかけです。営業の仕事は、販売という面ではファッションスタイリストと一緒に作り上げていく形でしたが、Eビジネスは自分の思いが直接サイトへ反映する仕事で、そこが面白いと思いました。」
任されたブランドのECサイトで何を打ち出すかを自分で考え、企画する。案内の文章や特集を作れば、それが更新されてお客様の目にとまる。「店頭で販売するのと違って、お客様のご意見を直接うかがうことができないという難しさはあります。しかし、画像を変えたり、特集をアップすることで、売上に変動があり、サイトを通じてお客様を感じることができます。」
各ブランドのECサイトは、『オンワード・クローゼット』というサイトのなかにある。そのため、『オンワード・クローゼット』で行うクリアランスセールなど、サイト全体で行うキャンペーンに関しては、その内容や期間などを部長、課長、課長代理で決定する。「部長が常に新しいことを推奨していて、Eビジネスの部署全体でも新しいアイディアを出して実行してこうと雰囲気が常にあります。私も、新しいアイディアを提案しやすいようなチーム作りを心がけています。」
一方で、ブランド担当の業務については、周りの人に助けてもらうことのほうが多い。「Eビジネスは、メンズ、レディスのヤングとキャリアなどで5~6人くらいのチームを作っていて、チーム内でお互いにサポートしながら働いています。そのなかで、私は社歴こそ10年近くあるものの、まだこの仕事は1年目です。Photoshopの使い方など周りの人に聞いて教えてもらうこともあるし、子育てのために勤務時間も短くしてもらっています。保育園の迎えの時間でどうしても会社をでなくてはいけないときなどは、やり残した更新業務などの作業をお願いすることもあります。」
大阪でも、東京でも、周りの人に助けられてやってこられた。「Eビジネスは一人で完結できる仕事なので、逆に抱え込んでしまうこともあります。私自身は、業務内容についてはまだ教わることばかりですが、内面的に落ち込んでいる人がいたら、自分が先輩にしてもらったように、声をかけるようにしています。」お互いを思いやる人が何人も集まってチームになっていることは、「人材」を「人財」と記すオンワードならではのことなのかもしれない。
所属部署は取材当時