洋服が好きでアパレル業界を志し、第一志望だったオンワードに入社した。「アパレル業界の中でも、営業や企画などいろいろな仕事がしたいと考えていました。オンワードは大きな会社ですし、個々のブランドを大きくしていけるところに惹かれました。」
配属先は、入社と同時期に出来た新ブランド「SHARE PARK」だった。入社1年目の総合職社員が経験する店頭での販売の他、営業の業務も経験した。「営業の仕事としては特殊かもしれませんが、オープン記念イベントの企画や運営まで携わることができるのがSHARE PARKの特徴です。入社してから約2年で7店舗。これだけ多くの店舗立ち上げに携わっているのは同期でも私だけだと思いますし、とてもやりがいを感じています。」
「SHARE PARK」は「ららぽーと」などの百貨店以外の商業施設で展開するブランドだ。新しいブランドとして、これからの成長が社内でも大きく期待されている。「私が入社するタイミングで新しいブランドが立ち上がって、会社としても力を入れていくということは聞いていました。実力のある先輩が集まるところだと思っていたので、自分が配属されると聞いたときはとても驚きました。「SHARE PARK」の仲間はもちろん、様々な部署の先輩にも助けてもらいながら働いています。」
店舗の立ち上げでは、オープンイベントに人を集めることも大切な仕事になる。ブランドの知名度がまだ高くないこともあり、趣向を凝らした企画を考える必要がある。店頭に大きなガチャガチャを置いて、通りがかった人は誰でも回せるようにするなど、賑やかな企画をいくつも考えた。「ある勉強会に参加したとき、コーヒーのケータリングが出ていました。話を聞くと、オレゴン州ポートランドのコーヒーを日本で唯一提供しているということでした。そこで、オープン記念にコーヒーの無料配布キャンペーンを行ったら、行列ができるくらいお客様に来ていただくことができました。」
イベントを行うのは新店舗のオープン時に限らない。「SHARE PARK」では季節の変わり目や年中行事に合わせたイベントを頻繁に行っている。クリスマスには巨大なクリスマスリースを全店に飾り、その前で写真が撮れるようなスペースを作った。「百貨店の場合は、隣接するショップや百貨店そのものとの兼ね合いがあるので、こういったイベントを自社の判断だけ実施することは難しい。」自由な発想で考えた企画が実現できるのは、「SHARE PARK」だからこそと言うことができるだろう。
もちろん、イベントを行うだけでなく商品を売らなければ仕事とは言えない。「営業でいちばんハードなのは、倉庫での作業かもしれません。前の週の売れ行きを見て各店舗に補充用の商品の発送手続きをしたり、週末にキャンペーンを行う店舗があればそのための商品を事前に発送したり、そういう先の展開を理解した納品も大事な仕事です。」倉庫に常駐しているスタッフもいるが、店舗による細かな客層の違いや、売れ行きの差を理解していなければできない仕事だ。また、週末やセールの時などは自ら店頭にも立つ。接客したりレジに入ったりすることもあるが、ストック（倉庫）を綺麗に保つことや、商品の補充といったサポートを意識的に行っている。「私は裏方として、ファッションスタイリストの方々が接客と販売に専念できるように自分は何をすれば良いかを考えるようにしています。」
そういった心構えは、営業の上司から教わった。入社試験を受けているときは、アパレルの営業が何をするのかわからなかったが、今では「事業本部と店舗を繋ぐ大切な仕事」と胸を張って言うことができる。「洋服を売ることは、食べ物や飲み物を売ることよりも圧倒的に難しいです。それに、「SHARE PARK」は営業担当者が少ないので、自らが動かなければなりません。そのぶん、とてもやりがいがあるし、楽しいです。これから入ってくる後輩と一緒にその楽しさを感じながら働けたら嬉しいです。」
所属部署は取材当時
