ファッション科のある高校に通い、大学でも服飾科に進んだ。就職活動でも自ずとアパレル業界を中心に見ていくなかで、オンワードの選考を受けた。「最初は気軽な気持ちで会社説明会に行きました。そのときに、壇上で話しをしていた社員の方の笑顔やパワフルさに魅力を感じ、オンワードという会社自体にも強く惹かれました。説明会から帰って見ていた『BAILA』という雑誌に、たまたま『23区』の特集が載っていたのを読んで、商品にも興味を持ちました。」
入社2年目という若手ではあるが、会社説明会でスピーチや質疑応答をすることもある。「アパレル業界では、面接の際にスーツを着て来ないでくださいという会社が多いんです。清潔感の基準を採用試験に合わせておけば、あとは自分が好きな服を着ていくのが良いと思います。自信が持てますし、背筋が伸びて顔が前を向くから声も通るといいことばかりです。」
「最初の半年は、1日のスケジュールを立てることにも苦労しました。その日にやろうと思っていたことがあっても、急に別の仕事が入ったときに、優先順位を付けるのが難しかったです。」ファッションスタイリストとして、店頭での接客・販売に加えて商品紹介のブログ記事作成や、ストック(倉庫)から商品を出し入れするなど、実際に働くようになって初めて知る業務も多い。とくに、23区GINZAはストックの面積も百貨店で展開する店舗の4倍以上あるため、体力も必要だ。そして、何より驚いたのは海外からのお客様が多いことだ。
「勤務初日の4月1日はお花見のシーズン真っ最中ということもあって、外国からのお客様がすごく多かったです。知らない言葉が飛び交っている空間に自分がいる感覚は衝撃的でした。」銀座店では来店するお客様の8割が中国からの観光客で、ファッションスタイリスト10名のうち、語学スタッフを6名動員し、接客の充実を図っている。しかし、それでも手が回らない場合は日本人スタッフも英語や中国語で接客を行わなければならない場合もある。「ほんとうに簡単な言葉だけですが、語学スタッフの先輩に教えて頂いたり、自分自身で調べたものを参考にして実際に接客に役立てたりしています。サイズの大小と色の種類、在庫の有無だけでも知っていれば質問にもお答えできるし、接客の幅も広がり、たくさんの海外のお客様と出会える機会が増えます。」
23区GINZAのコンセプトは「宿泊施設のないホテル」。そこで働くファッションスタイリストには、お客様への細かな気配りと「おもてなし」の心が要求される。「23区GINZAでは、接客の際に、自分の名刺をお渡しするのですが、そこで名前を覚えてくださって、次にご来店いただいたときに指名していただけるときはすごく嬉しいです。」接客業の醍醐味はお客様に喜んでいただけた瞬間だということに変わりはない。
外国人が相手であっても、接客業の醍醐味はお客様に喜んでいただけた瞬間だということに変わりはない。オンワードのファッションスタイリストは、入社して3年が研修期間で、2016年はその3年目にあたる。今の目標について「お客様が洋服を持ち帰ったあとで、作っていただける思い出を共有できたらいいなと思っています。まずは、研修期間をしっかり終えることを目指しつつ、いずれその先にある店長やサブ店長のお仕事に興味を持ったとき、任せていただけるようになりたいですね。」
多くのお客様と信頼関係を作るため日々学習・成長しながら、たくさんの笑顔とともに23区GINZAに立っている。
所属部署は取材当時