入社6年目からは『エニィスィス』に。急激な成長を続けるこのブランドをMDとして支えて4年。もうすぐ売上高が100億円になろうかという巨大ブランドのひとつだが、MDは同期の男性とアシスタントの後輩のわずか3人しかいない。「若い人に本当にチャンスをくれる会社なんです」。MDとはトレンドを切り取り、それをターゲット客に売れるような商品として落とし込んでいく役割を持つ、と語る。今も街を歩けば自然に人々の姿に目が向かう。どんな素材か、着丈はどうか、全体バランスは……。「ただ、保守的に作ってもダメ。思い切った挑戦を時にはしないといけない」。それが商品を、売り場を変えるのだ。実体験がある。MDになってしばらくして、自分なりの思いを主張し始めた。「しばらくすると、最近なんだか商品がかわいくなったね、という声が販売店から上がってくるようになって。これは本当にうれしかった。もちろん、自分だけでなくデザイナーパタンナーとの協力あってなんですが、MDの意思は確実にモノづくりに反映されていくのだと改めて知りました」。売り上げが急伸、成功体験を何度も積んだ今も、新しいチャレンジは忘れない。それがブランドに勢いをもたらすのだ。「最近では、自分の生活に目が向くようになりました。自分が楽しんだり、余裕を持ったり。心の豊かさが商品に反映されると思うようになったから。だから自分の衣食住を、これまで以上に充実させていきたい。それが、仕事に直結する仕事なんです」。
