ミセスブランドからキャリアブランドを経て、『自由区』へ。当初は怖さも感じた。「一型で数千枚も生産することがあるブランドです。責任重大だと思いました」。実際、ちょっとした工夫やわずかなシルエットの違いが、店頭での評価を大きく左右する。「襟ぐりが1センチ大きいだけで、あるいは丈の長さやボタンが違うだけで、売れ行きが大きく変わったりするんです」。求められているのは、一言“自由区にしかない素敵な商品”。アイディアを振り絞った。そして異動して3年目、ブランドがリニューアル、大胆な若返りに挑む。それに伴い、各デザイナーが“こんなものが作りたい”と希望を上げていくスタイルになった。
「前例に関係なく、素敵な商品を作る。それがミッションでした。私は、シンプルだけれど、きれいなラインが出ることや素材による着心地に徹底的にこだわりましたね」。うれしかったのは、自分がこだわった商品が店頭で新しい顧客を惹きつけていると耳にしたこと。「でも、常に新しいものを考えていくのは、本当は大変なんですけど(笑)」。休日も、ついつい洋服やショップに目が行ってしまう。「仕事でお店に行くのと、休みのときに行くのとでは、まったく違って見えますから」。就職活動でも、意識したのは自分らしさだった。「自分の持っているものを公平に尊重してくれる会社。それがオンワードという会社だと思っています」。
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