就職活動では、会社が自分に合うか、を意識した。長く時間を過ごすことになるのが、会社。居心地よく過ごせそうか、説明会などでも冷静に見極めた。「大手に行くことは専門学校の先生の勧めでした。育てる余裕があるから、と。それは入社後に本当に実感することになりました」。新ブランドだったこともあり、最初から絵型をもらってパターンを引かせてもらったが、初めて使うCADにも慣れない。そんな時、ありがたかったのは、先輩がマンツーマンでついてくれたこと。「何でも聞くことができたし、見よう見まねで仕事を進めることもできました。そうやって少しずつ、仕事の幅を広げていくことができたんです」。デザイナーとのコミュニケーションを深めて、イメージのラインを作り上げていく。最初はうまくいかなかったことがだんだんできるようになっていく。「デザイナーや営業から、これいいものができたね、と言われることがうれしかった」。それでも先輩たちのレベルにはとても追いつけない。ちょっとしたアドバイスを実践してみると、ぐっと良くなる。それが自分の力になる。「やればやるだけ、知識を得れば得るだけ、技術が積み上がっていく仕事だと思いました」。裁断やミシンなど、さまざまなカリキュラムの研修も用意されていた。それがまた仕事に生きている。
