日々の生活の中で仕事が占める割合は高い。だからこそ、その時間を自分が面白いと思えるコンテンツやモノに関わっていたいという気持ちが強かった。興味のあった金融とアパレル業界で就職活動を行った。その中で、総合職という入り口があり、営業、企画、生産と様々な職種があること。そして、自由に挑戦させてくれそうという期待が、入社の決め手となった。
今では「楽しくてしかたない」と感じている生産管理職だが、最初は生産管理が何をするのかも知らなかった。1年目に店頭研修があり、３年目までは営業を希望し、店頭に立ったりお店のスタッフフォローをしていた。営業を希望したのは、どのような仕事をするにしてもダイレクトにお客様が感じていることを知るのが何よりも大切だと感じたからだ。
その後、「企画やモノをつくることをやってみたい」という気持ちを上司に相談した。その時にすすめられたのが生産管理だ。「デザイナーやパタンナーなどのブランドのイメージを作るというのはクリエーションで、私がやりたいと考えていたのはプロダクションでした。それを実現できる職種が生産管理だったんです。」
生産管理はモノを企画してから納品するまでのすべての工程に関わる仕事。こんな商品が作りたいという企画が始まると、そこからどんな生地が必要で、どんな附属が必要か、納期に合わせてスケジュールを組み、デザイナーやパタンナー、営業と連動しながらスケジュール通りに思ったものが出来上がるようにマネジメントしていく。
現在は、デザイナー1人、技術１人、営業1人、生産管理１人の最小単位の部隊にいる。企 画から納品まで短いもので3ヵ月、長いもので半年ほどかかる。同時に８０型程度の商品を受け持っている。同じモノをつくることは少なく、いわば毎日が新しいことの連続だ。その中ではトラブルも起こる。そのトラブルに対し、関わる人たちに協力を得ながら対応していくのも仕事の１つだ。
「一つひとつ違う商品を作っていくので、毎日本当に面白いです。最近では、子ども服のアイテムを担当しました。全員があまり経験のない商品なので、問題も起こりますが全てが勉強だと思っています。とにかく納品までの全工程に関わっているので、コストダウンするならどこで減らせるかな？など、物流も含めて色々な改善の余地があり、やることが尽きません。」経験がものをいうが、慣れてしまうことがトラブルの原因になる気の抜けない仕事だ。
シーズンも決まっているし、リードタイムも読めるため、生産管理の仕事はルーティーン業務に近いと思っていた。実際は、デザインが思い通りに再現できない、生地がみつからないなど想定外の問題が起こります。思ったようにいかない面白さが生産管理の魅力。
「実は、うまくいっている時はあまり仕事をしなくていいんです。皆さんにお願いすることが仕事なので。デザイナーに早くして、パタンナーに早くしてと言って、次は工場に行って何で間違っているの？というだけです。でも、何かあった時にはいろいろ手配をしなければいけません。トラブルが無事に解決できると達成感があります。細かな工程管理が発生しますので、一つひとつクリアしていく喜びがあります。関わっているメンバーと協力しながら進めていく過程も楽しさの１つです。」
上司は、「やりたいことをやれ」と、背中を押してくれる。本当に困った時は迅速に助けてくれる。このような環境だから、思い切り飛び込んでいけるのだ。「本当に経験がものを言う仕事だと感じています。生産部にはベテランの方が多く、先輩たちのようになるには経験を積み重ねていくしかないと前向きに考えています。」
所属部署は取材当時
